シュルレアリスム

現役美大生が解説!超難解な個性的現代美術・「シュルレアリスム」について

シュルレアリスムから抽象表現主義への変遷

このサイトの解説

みなさん、「シュルレアリスム」と聞いて、「あ~、あれね、シュルレアリスムね!」という発想にはならないですよね(^^;)ほとんどの方が「シュルレアリスム??はい??」と思うのではないでしょうか(笑)シュルレアリスムとは美術の表現運動の1つで、私は美大生で、たまたま感性がそっちに向いていたのでシュルレアリスムについて詳しいだけで、同じ美大生でも知らない人もたくさんいますよ!!私はただいま、シュルレアリスムについて興味を持ち始めて勉強中の身なので、解説しつつ、自分の勉強にもなればいいなと思っています(^^)

一般的な美術

美術というのは「目で見たもの」や「こういったイメージのもの」を書こうとか、「意識的に何かを書こうという気持ち」をもつことや、「ある程度題材を決めてから描く」「ある程度ゴールを決めてから描く」というのが、一般的に幅広く行われていることだと思います。幼稚園・小学校・中学校・高校においても、美術の時間には何か“お題”が出された上で 「描く・作る」となりましたよね。また「好きなものを書いていいです」と言われたら、ある程度「あれを書こう」「これを書こう」となんとなく決めてから描き始めますよね。そして、描き手は、この絵を見る人が、この絵はどんな場面を描いたかがわかるように上手に描こうとしますよね?でもシュルレアリスムはちょっと違うんです・・・。

シュルレアリスム

一言でいうと、シュルレアリスムというのは、自分の“意識外”の部分を描く表現方法なんですよー。この一言、難しいですよね(^^;)“意識外”ということは“無意識”の部分を表現するということです。無意識の部分を描き出すことで、自分が本当はどうゆう人間なのか、自分が本当に思っていることは何なのか、自分以外のものや、自分以外の人の心の中までも表現するしようとする表現運動(表現方法)です。思い描くのではなくて、自然に筆の動くままにまかせて作品をつくっていきます。また、キャンパスを机やイーゼルに置かず、床に置いたりつるしたり・・・その方法もさまざまで、それも自分の体が動くままに配置して描くわけです!!シュルレアリスムは近代文明を批判するという要素を持ち合わせていて、アメリカ現代美術においては大切な表現運動だったんですよ。無意識を表現するなかでも、きちんと表現技法が生み出されたりして、何でもありの美術のようで、何でもありというわけではないんです!!そこがとっても魅力的で“ミソ”なんですよね~( ̄ー ̄)ふふふ。

シュルレアリスムの歴史

簡単にシュルレアリスムはいつごろ栄えたのかをご紹介したいと思います!!シュルレアリスムは、1922年頃にダダイズムという美術表現運動から分かれて始まったもので、1924年にシュルレアリスム宣言がなされて、1945年頃まで続きました。シュルレアリスムはアメリカ美術独特の表現運動で、世界中に派生するまでにはいたらなかったとされています。

無意識とは

シュルレアリスムっていうのはいわば“無意識”の部分を表現することとお話しましたけど、無意識の部分を意識して描くってどういうことですかね!?無意識っていったいぜんたい、何なのでしょうか!?無意識について、私も一緒に学びながらお話していきますね( ・∇・)

無意識の力

私たちは普段、いろんなことを無意識で行っていますよね。極論、生きていること自体、だいぶ無意識じゃありませんか!?呼吸、しぐさ、態度、声の出し方、咳、などなど、無意識に行っているものは数知れません。でも、その無意識レベルの部分にこそ、とてつもない力が宿っていて、自分でも知らない自分を見つけることなんかもできるわけです( ̄ー ̄)無意識を表現するためには、まず無意識の部分とつながる必要がありますよね。(ちょっと難しい話になっちゃいますが^^;)たとえば、呼吸とか、夢とか、眠る直前直後、黙想などなど、こういうときが“無意識レベル”につながつチャンスです☆無意識の時に発揮する力と言うのは、恐れや周りの目を気にしていないため、非常に素直に、そして強く出るって言われているんですよ~。

危機に直面した時の無意識パワー!!!

無意識の時に発揮する力が強い、と先ほどお話しましたけど、この無意識パワーは、特に非常に危険な状況の時にこそ、強靭な力を発揮するんです!!例えば、地震でタンスが倒れて、子供が挟まりそうになった時は、普段だったら重すぎて支えることのできないタンスでも、子供を守るために支えたりできますよね。普段は泳げないのに家族が溺れそうになったら、泳いで助けることができたり・・・!!!「火事場のばか力」とかよく聞きますけど、本当にその通り!!!そして、無意識の時に発揮する力は「潜在能力」といって、自分が本来発揮できるはずの能力なんです。自分の意識下にある、無限の可能性を秘めた力なんですよ☆☆このように、無意識レベルの力というのは、意識的なときよりもだいぶ爆発的な力が出るということ。そんな感情を描き表したのがシュルレアリスムの美術なんです(^^)

抽象表現主義の始まり

シュルレアリスムの最後のほうになると、だんだんと新しい表現運動が始まってきます。それが“抽象表現主義”なんですね。1940年代後半に始まって1950年代に入るとさらに栄えていきます。こちらもアメリカの美術史に残る偉大な表現運動の1つで、アメリカ内だけに留まらず、世界に派生していった表現運動になります。抽象表現主義以降、芸術の発信地は、いままでパリを中心としていたのですが、ニューヨークへと移行していくんです!!

繁栄の舞台を移した現代美術

パリからアメリカへ抽象表現主義が移行したのは、抽象表現主義を描く上で、パリよりもアメリカのほうが適していた、と言えるかもしれません。アメリカという広大な土地(キャンバス)に、誰を気にすることなく思いっきり自分の気持ちをぶつけることができる(はみ出すほどに思いっきり描くことができる)。アメリカには、そんな独特な自由な雰囲気が確かにありますよね(V^-°)さまざまな考え方の民族が集まっているアメリカは、「これ!!」という固定観念にとらわれず、さまざまな美術を、それを気に入った様々な考え方を持つ人が評価してくれる場でもあったわけです。パリという国の持つ雰囲気よりも抽象表現主義が当てはまりやすかったのではないでしょうか(^^)その独特な雰囲気をもつアメリカの中でも、ニューヨークは新しい芸術を追い求め、多くの人が集まる聖地。それぞれが、1つの夢を握ってがむしゃらに頑張っている場所でもありました。そんなニューヨークに対して、現代美術に魅了された若者たちは、ますます惹かれていったのかもしれません。そして、抽象表現主義で自己を表現したいと思う若い芸術家たちが集まってきたのだと思います!!

抽象表現主義とは

時代が流れるとともに、次第にシュルレアリスムから抽象表現主義に美術運動が進んでいくんですけど、ここでは抽象表現主義についてご説明します(^^)/抽象表現主義も、これといったゴールを決めずに、自分の想いに任せて描く方法なのですが、シュルレアリスムよりも躍動的で感情的で暴力的な表現方法です。ただし、抽象表現主義は大きなカテゴリーでくくられているようなので、必ずしも躍動的で感情的で暴力的なものだけとは限りません。一見、抽象表現主義とは言えなさそうな作品も、抽象表現主義とされているんです。何にしても、シュルレアリスムの影響を受けて始まった表現運動であることには間違いないんですけどね(^^)/

抽象表現主義の時代背景

1950年代前半は抽象表現主義の最盛期ともいえます。この頃のアメリカ現代美術は抽象表現主義だらけ・・・。というのもアメリカはこの頃、第二次世界大戦に勝って、政治・産業などあらゆる面で世界のリーダーとして君臨できるチャンスが到来したわけです。このとき、アメリカと言う国は大量生産・大量消費をせっせと始めて、だんだんと世界をリードするにふさわしい国力をつけていくんです。でも、そこには犠牲になっている多くの国民がいますよね。世界をリードするために急ピッチですすめられた国づくりは、国民に大きな不満ももたらしたんです。その不満や憎しみを爆発させる美術の場として、抽象表現主義が栄えてきたわけで、そんな時代背景からもわかるように、抽象表現主義は躍動的・感情的・暴力的な要素を持っているんですね。

抽象表現主義の特徴

巨大キャンバス
なんといっても抽象主義表現と言えば、キャンバスがどんどん大きくなっていったことが特徴的ですね(V^-°)机上やイーゼル上で「キャンバスに描く」といった可愛らしい表現からは遠ざかり、「広い場所(=大きなキャンバス)に激しく想いをぶつける」といった躍動的で激しい雰囲気を持つようになります。日本でも書道家の方なんかは、大きな半紙に、体中で自分の表現したい思いをぶつけたりしていますよね。まったく別物ではありますけど、日本に置き替えるなら、書道家の方が一番近いかな・・・と勝手にそんな印象を受けました(^^;)勝手なこと言ってすみません(笑)
アクションペインティングのはじまり
抽象表現主義では、アクション・ペインティングという描き方も流行ります。巨大キャンバスの上に、叩きつけるように描かれて、その顔料が跳ねて飛んだ様を絵画として確率していくというもの(^O^)抽象表現主義という名の通り、非常に「抽象的」な絵画になります!シュルレアリスムでは人物のような、何か物体のようなものが描かれるんですけど、このアクション・ペインティングで描かれた作品には、人だの物だの、存在しないことが多々あります(^^;)その画家の心の表現そのものになってくるんです。なので、このアクションペインティングで描かれた絵画は、“自分なりの解釈”という方法で鑑賞すると納得できますが、題名どおり見ようとしても「???」となってしまうと思います(^^;)このアクションペインティングについては、後ほど、違うページでもご紹介していますのでご覧くださいませ(ノ*゜▽゜*)
とにかく抽象的
はい、とにかく抽象的です。解説がなければ何を表現したいのか、具体的なことはまったくわかりません。というか、そもそも、抽象表現主義の表現方法を施された美術に対して、“具体的な解説”なんて無意味ですけど・・・。とにかく、画家の張り裂けそうな激しい想いを、見る側が肌で何か感じてくれれば、抽象主義表現の画家は“大成功”“大満足”と思うでしょう(^^)
中心がない
キャンバスのどこを中心として描いているのかがまったくわかりません(^^;)わからないというか、たぶん、中心がないんだと思いますヽ(`ー`)ノまったく、ほーんと個性的で人の目を気にしない表現方法ですよね~(笑)自分の満足のために書くという部分が非常に大きい。これを描いて誰かを楽しませたいとか、そういった要素がないですもんね。まあ、楽しませたいと思って描いていた画家もいるでしょうけど、基本的には“自己の感情表現の場”ですからね。

巨大キャンバスは成功の鍵!?

先ほどもお話したのですが、抽象表現主義の芸術で、巨大キャンバスが欠かせない存在ですよね!?この巨大キャンバスも、抽象表現主義がアメリカで繁栄した一因と思われているんですよ!1930年代には多くの若いアメリカ人美術家がメキシコで活動していました!そして、同じく1930年代にメキシコ壁画運動に多くの若いアメリカ人美術家が助手として関わりました。関わった若いアメリカ人美術家たちは、その壁画のように大きな画面に思いっきり描くと言う方法に大きな影響を受けたといわれています。そこへきて、巨大キャンバスに思いっきり自分の魂をぶつける抽象表現主義がはじまったわけで、抽象表現主義は若者たちの“大画面に絵を描く”という喜びを開花させたものでもあったんです(^O^)